「相鎚(あいづち)」とは、話し相手の言葉に調子を合わせるように返答することを言いますが、この言葉は刀鍛冶が先輩鍛冶と向かい合って刀を鍛える際に、交互に打ち付ける様子を言いあらわしているようです。刀鍛冶の先輩と弟子が、お互いの息を合わせるように共同作業するなかで生まれた言葉であると言われているようです。日本刀に関連する言葉は現代でも数多く使用されているようですが、たとえば「折り紙付」。「折り紙付」と申しますと、現代では特定のモノや事がらの質や品質を保証するような場合に用いられることが多いと思われますが、その昔、人びとが「折り紙」を用いる場合、日本刀の「鑑定書」を意味していたとされています。「折り紙」のルーツは、室町時代ころからはじまったなどとされ、大刀や刀の評価をあらわすものとして「折り紙」=「鑑定書」として使用されていたようです。