研師というのは、ただ研ぐというのではなく、刀の持ち味、つまり特徴を活かすために、ある程度工作するんですからね。押さえてみたり出してみたり。その工作のなかで自然に出た物は割合見やすい。つかみやすいですが、出ないから無理をして出すと刀そのものの持ち味がなくなってしまうのです。最近の研師は忙しい。愛刀家が増えたこともあるが、一つは重刀の審査の影響がありますね。研ぐのはもったいないというのですが、やはり審査等の場所に出すときにはメークアップしなければいけないんですね。それから、最近の研師への注文は、研が派手な・・・というのが多いですね。刀を見るのには本当は太陽光線と言おうか、自然の光、それも北の光線が一番いいのです。刀がしっとりと落ち着いて見えます。しかし今は、昔式のさしこみ研などという、地味な玄人好みの研を注文する人は少なくなりました。ほとんどは地を黒く刃を白くという、見た目に華やかなものが一般的に好まれます。