目貫は、元々は単なる日本刀の部品の一つであったのですが、そのうちにその装飾性が評価されるようになり、刀工の手によって、その美術性がどんどん高められていきました。その中で、たくさんの種類の図柄の目貫が作られていきました。
図柄それぞれに異なる思いが込められており、たとえば弓矢図は、強くありたい、という思いが込められていたり、清正公図、俵藤太図は、それぞれ清正公と俵藤太の伝説が象られており、この目貫を使用することで、清正公と俵藤太に近づきたいという思いがあったと言われています。
また、伝統芸能をかたどったような目貫もたくさん作られました。翁面をかたどった翁面図、般若をかたどった般若面図、獅子舞をかたどった越後獅子図などが代表的です。
さらに、動物や植物も目貫になることがあり、桃図は邪気を払う、燕子花図は文化的な彩りなどの意味合いが合ったと言われています。